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「掌からつたわる信号」 小田橋昌代 2012年 撮影:岡村喜知郎
目を閉じて手を繋いだ2人の少女。肌や髪の部分には上からエナメルで色づけられ、ドレス部分では半透明のガラスが光を柔らかく通します。現実と虚構の間にあるような不思議な存在感です。作家はガラスの人物像をとおして人間の内面世界を表現します。目をつぶって自分自身の内側を探る。それはもう一人の自分との対話なのかもしれません。
「時の船」 パヴェル・フラヴァ 1998年
鋳造された赤、青の複数のガラスパーツを組み合わせて船が形づくられ、各パーツの間には金箔が挟み込まれています。作家は自然の景色を抽象化して作品のモチーフにしています。船形に切り取られた本作は、まるで波間を漂う一隻の船が、夕陽を反射してきらめく水面の光に溶け込んだかのようです。
コロナの影響で容易に出かけられないこの時期に、自宅での過ごし方をご提案します。
読書や好きなアイドルのDVDを見るのも良いけど、変わったところで美術館の図録を見るのはどう?
花鳥風月の美しさ、リアルな昆虫などが描かれたガレやドームの作品。
“何か好きなんだなぁ💛”
それらを一緒に収めた図録『ガラス工芸の精華-ガレから現代まで-』は、
私を満足させてくれる一冊です。(談:すぅ~にゃん)
詳細 http://nanao-af.jp/glass/?page_id=6296
「すべての人がそうであるように」 藤原恵美 2002年
ガラスの箱の中に人型が入ったユニットが4つ、ファスナーで繋がれています。ガラスで仕切られた内側はその人のパーソナル・テリトリーで、ガラスの箱は自分を守る殻でもあります。そのような多くの「自分」が関わり合い、繋がったり離れたりしながら私たちは社会を作っています。そういった自己と他者との関係性を象徴的に表しています。
6月16日(火)は休館日です。
またのご来館をお待ちしております。
「沈黙」 武永和茂 2001年
ガラスに浮かび上がる5つの横顔と少し意味深なタイトル。空間に何らかの圧力がかかることで人の表情や感情が変化する様を、ガラスで表現しています。見る角度を変えると、5つの顔の表情が少しずつ変化します。一つの作品が完成するまでの人間関係のプロセスをも取り込んだ作品は群像劇のようです。